鹿ケ谷かぼちゃ(2)
2013.9.15
京夏野菜の鹿ケ谷かぼちゃのスープの甘さの秘密は低温殺菌牛乳と玉ねぎにあったのですが、玉ねぎには16種類の化合物が検出されており、切り刻むことにより、無臭性のアリーンが酵素アリナーゼの働きによって、刺激臭を持ったイオウ化合物アリシンへと変化します。 玉ねぎを切ると涙が出てくるのはこのアリシンの刺激臭のためなのですが、酵素アリナーゼは熱に弱いため、加熱をし続けると、酵素が働かなくなり、切り刻んだばかりの玉ねぎにある刺激臭と辛み感がなくなります。 また、いったんできた玉ねぎの辛み成分は加熱によって還元され、甘みの強い成分にかわります。 切った玉ねぎは辛いのですが、炒めることにより、甘くなるのはこのような玉ねぎの成分の変化によるものでした。* カレーやオニオングラタンもこの玉ねぎの甘みを活用したお料理ですね。
* 出典:
スパイスのサイエンス 武政 三男 著 (スパイスコーデイネーター協会理事長)
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